私は2016年からロリポップ、2022年からラッコサーバーを使っていて、ずいぶんお世話になっています。「WordPressを立ち上げたいんだけどロリポップとラッコサーバーのどっちを選べばいい?」という質問をもらい比較する機会があったので、備忘録的に残しておきます。


新規で始めるならラッコサーバー一択です。理由は「立ち上げの速さと迷わなさ」「運用の安心」「出口戦略の容易さ」。ただしロリポップにも“強い土俵”があるので、公平に整理していきます。
ラッコサーバーを勧める理由(新規はここから始めるのがラク)
かんたんブログスタートが衝撃&SSL化が自動で無料
ラッコサーバーで衝撃を受けたのは「かんたんブログスタート」という機能です。サーバー契約とドメイン取得からWordPress導入がワンクリックで完了します。

ロリポップにもWordPressの簡単インストール機能がありますが、ラッコのかんたんブログスタートはサーバー契約した瞬間にWordPressの管理画面に入ります。ロリポップはサーバー契約後、自分でサーバーの管理画面から簡単インスートル機能を設定します。
ロリポップは一工程多く、初心者にとってこの差はめちゃ大きい。(たかが一工程、されど一工程)
あとSSL化もラッコなら自動で無料。ロリポップは自分で設定する必要があるの、これでまた一工程増えてしまいます。
なのでとにかく難しいことは考えず、今からWordPressを始めるなら黙ってラッコサーバーを選んでおく、それが正解なのです。
管理画面の使いやすさ
あとサーバー選びで意外と差が出るのが管理画面のわかりやすさです。特に初心者は、専門用語や複雑なメニューに戸惑って、設定に時間を取られがち。ここで挫折してしまう人も少なくありません。
ラッコサーバーの管理画面は、そうした不安をかなり軽減してくれます。メニュー構成がシンプルで直感的に操作できるため、「どこに何があるか」がおおよそ一目で分かるのが特徴です。サーバー操作に慣れていない人でも、迷子になりにくい設計になっています。
ラッコサーバーは細部の工夫も秀逸です。たとえばWordPressのパスワード発行時には、自動でクリップボードにコピーされる仕組み。コピー忘れによる再発行といった小さなストレスを防いでくれます。

WordPressのログイン情報を見失わない
ラッコサーバーのIDとPWを管理しておくだけで、WordPressにワンクリックでログインが出来ます。

ログイン情報って、IDとパスワードのイメージあると思いますが、ログインURLって見失いがちです。URLの後ろに「wp-login」つけるとか、普通わかりません。
ラッコサーバーの管理画面に「クイックログイン」リンクがあるので、WordPressのログイン情報(ログインURL、ID、パスワード)を意識しなくてもひとまず使えます。
30日分の自動バックアップが標準・無料
ラッコサーバーは30日分の自動バックアップが標準装備で、管理画面から好きな日付にワンクリックで復元できます。事故が起きても自分で即リカバリーできる安心感があります。
一方、ロリポップ!は一部プランに無料自動バックアップがありますが、復元はサポート経由で申請が必要。自分で柔軟に操作したい場合は有料の7世代バックアップオプションを追加する必要があります。
どのプランを契約しても自分でサクッと復元できるのは重要。30日もあれば大体の事故はカバーできるので安心感があります。
サポートの質と安心感
ラッコサーバーはサポートのレスポンスが早いことが大きな特徴です。実際に問い合わせると短時間で回答が返ってきます。サーバーのトラブルは緊急性が高いことが多いので助かります。
問い合わせするまでもない記事は「よく困るポイント」についての記事が豊富に用意されていて、調べれば自力で解決できるケースも多いです。もちろん、どのプランでも追加費用なしでサポートを利用可能。
マイページ内には専用の問い合わせページがあり、過去の問い合わせ履歴と回答を確認できるため、同じ悩みが繰り返し出てもすぐに振り返れるのも便利です。

ロリポップはプランによっては電話対応もありますが、基本はチャットやメールのみ。チャットのbot対応では期待する答えが得られないケースもありました。
うまくいかなかった時は「売る」という選択肢

WordPressで作ったブログが続けられなくなったときや作ったサイトを手放したいとき、ラッコサーバーなら「閉じる」代わりに「売る」ことができます。ラッコマーケットやラッコM&Aを使えば、サイトを最短30秒で出品でき、契約や移行もシステム上で完結できます。
小規模なブログでも買い手が付きやすく、収益ゼロでもドメインやコンテンツに価値を見出す人は多いのが実情です。つまり、ラッコサーバーは「始めやすい」だけでなく、失敗しても手放しやすい安心感を提供してくれます。
ロリポップを選ぶ価値(超低価格と広い選択肢)
数多いプランの中から自分に合ったものを選びたいなら、ロリポップは選び甲斐があります。
「できるだけ安く始めたい」「長期でサイトを運用したい」など目的の違いに対応できるメニューを揃えているのがロリポップの特徴。

長期間続ける前提なら超低価格
ロリポップのエコノミープラン(月額99円/36カ月契約時)は業界最安級ですが、WordPressは非対応。
WPでブログやアフィリエイトを始めたいならライトプラン以上(月額264円〜/36カ月契約時)が必須です。
- ライトプラン:3カ月契約 539円/12カ月契約 495円/36カ月契約 264円
- スタンダード以上:電話サポートあり
- ハイスピード/エンタープライズ:条件を満たすと「ドメインずっと無料」特典あり
またロリポップはどのプランでもマルチドメインに対応しているので、1つのサーバーに複数のサイトをまとめて運営が可能。
さらに36カ月契約でライトプランが264円になるので、「3年以上運営を続ける」予定がある人にとっては良い選択肢です。(ラッコサーバーはRK2プラン以上でマルチドメイン対応)
ドメインずっと無料の特典
ロリポップには、「ドメインずっと無料」特典があります。これはハイスピード/エンタープライズプランに適用される仕組みで、条件を満たすと独自ドメインが最大2個まで契約中はずっと無料で使えます。
対象ドメインには「.com」「.net」「.org」といったTLDも含まれていて、更新料の年間1,500円〜2,000円程度を削ることができます。契約が続く限り無料なので、長期利用者には大きなメリット。
特典を受けるためには12カ月以上の契約+自動更新設定が条件となり、途中で解約するとそのタイミングで無料特典は終了します。逆に長く使い続ける予定なら、サーバー利用料の中にドメイン維持費が含まれる形になります。
それぞれの注意しておきたいポイント
実際に使ってみて「ここは気をつけた方がいいな」(ちょっとした不満)もあります。
ロリポップの場合
解約が少しわかりにくい
個人的には管理画面の解約方法がわかりにくいなぁという印象です。私自身、完全に自分のミスですが、サーバー移転後に使っていなかったのに6年ほど払い続けていたことがありました…。クレジットカード払いの自動更新をしないのがおすすめです。
ログインでいつも迷う
ロリポップのログイン画面では、「ロリポップ!のドメイン」と「独自ドメイン」のログイン方法があります。「ロリポップ!のドメイン」では、lolipop.jpなど複数のドメインから選択する必要がありいつも迷います。サーバーの管理画面はしょっちゅうログインするわけではないので、いつも「どうだったっけ?」と迷います。

ラッコサーバーの場合
ドメイン無料は初年度だけ
「ドメイン1年無料」の特典は取得時のみ。2年目以降は通常の更新費用がかかります。「ずっと無料」とは違うので、長期運用を考えているなら計算に入れておく必要があります。
RK1はマルチドメイン非対応(サブドメインは何個でもOK)
最安のRK1プランは1サーバー=1ドメイン専用。サブドメインは何個でも取得できます。
1サーバーに複数サイトをまとめたい人には不向きですが、その分「サイトごとに完全に切り分けて運用できる」ので、売却を考えている人にはむしろメリットになる場合もあります。
ロリポップvsラッコサーバー比較表
項目 | ラッコサーバー | ロリポップ |
---|---|---|
プラン数 | 3プラン(RK1 / RK2 / RK3) | 5プラン(エコノミー / ライト / スタンダード / ハイスピード / エンタープライズ) |
最安料金 | RK1:月440円(12カ月契約換算) | エコノミー:月99円(36カ月契約)※WP非対応 ライト:月264円(36カ月契約)〜 |
マルチドメイン | RK1は不可、RK2以上は無制限 サブドメインは何個でも取得可能 | ライト200 / スタンダード300 / ハイスピード無制限 / エンタープライズ無制限 |
WordPressセットアップ | 「かんたんブログスタート」でドメイン取得〜SSLまで自動 | 「WP簡単インストール」(ライト以上) |
無料お試し | 30日(かんたんブログスタートは対象外+契約に30日加算) | 全プラン10日 |
ドメイン特典 | 12カ月以上契約で「.com/.net/.jp」1年目無料(2年目以降有料) | ハイスピード / エンタープライズで「ドメインずっと無料」(最大2個) |
バックアップ | 標準で30日分を無料復元可能 | 有料「7世代バックアップ」(月額440円) ハイスピード / エンタープライズは無料自動バックアップ付き |
サポート | メールフォーム・ナレッジ充実、レスポンス早め、電話なし | メール・チャット全プラン、電話はスタンダード以上(平日10–18時) |
売却・移行 | 「ラッコマーケット」と連携、最短30秒で出品可 | 公式に売却機能なし(外部利用が前提) |
大差がないと感じた部分
ロリポップを9年以上、ラッコサーバーを3年以上使っている身からして大差はないと感じた部分もまとめておきます。
WordPress動作の快適さ(通常利用レベル)
ブログやサイトを始めたばかりだと、最初から大量アクセスがあるケースはまれです。
ラッコのRK1やロリポップのライトといった下位プランでも、月数千〜数万PV規模の運営なら十分快適に動く印象です。
「アクセスが集中すると遅くなるかも…」という心配は、よほど記事がバズるとか、大規模サイトになってから考えれば大丈夫。通常のブログ運営では両社とも支障なく使えると考えてOKです。
最終結論:どちらを選ぶべきか
こうしてみるとこれから新しくWordPressを始める人はやっぱりラッコサーバーがおすすめ。
立ち上げの速さ、バックアップの安心感、そしてサイトを「売る」という出口戦略まで備えている点で、現代的な環境に完全対応しています。
一方で、ロリポップは長期・低コスト運用が目的の人に向いています。
とにかく安く続けたい人、複数ドメインをまとめたい人、電話サポートを求める人にとっては今も十分選ぶ価値があります。
まとめるとこう
判断軸 | ラッコサーバーが向いている人 | ロリポップ!が向いている人 |
---|---|---|
WordPressをサクッと始めたい | 立ち上げ最速。「かんたんブログスタート」で迷わない | 「簡単インストール」あり。やや手順多め |
バックアップの安心感を重視 | 30日分を自動保存・即復元 | 有料プラン or 上位プランで対応 |
サポート対応 | メールレスポンス早く、履歴管理も便利 | 電話サポートあり(上位プラン) |
サイトを売る・手放す予定がある | 「ラッコM&A」「ラッコマーケット」で即出品可 | 売却は外部利用が前提 |
複数サイト運用 | RK2以上で無制限OK | ほぼ全プランで対応可 |
コスト重視・長期契約 | RK1:月440円(12ヶ月契約) | ライト:月264円(36ヶ月契約)〜、業界最安級 |
ドメイン特典 | 1年目無料 | 条件を満たせば「ずっと無料」 |
申し込み先 | 公式サイト | 公式サイト |
私の実感ベースの総評
- 迷いたくない初心者→ラッコサーバー
- とにかく安く続けたい長期運営者→ロリポップ
- ビジネス視点(作って売る・管理しやすい)→ラッコサーバー
どちらも良質なサービスですが、「迷わず始めたい」ならラッコ、「安く長く続けたい」ならロリポップ。結局は「何を優先するか」で選べば間違いません。